伝えたいけど伝わらない
旦那です。
はるまき家は、夫婦揃ってソフトウェア関係の仕事をしています。
コンテンツ
- IT業界あるある
- これじゃない感
- 要求を言語化するのは難しい
- 要求を「正しく」伝えるのはもっと難しい
IT業界あるある
さて、早速ですが見てもらいたい絵があります。
まあ、ソフトウェアの仕事をしている人は、よく見るやつです。そもそもはITビジネスやプロジェクトのあるあるを風刺した絵です。
ITシステム開発で、顧客は自分の欲しいシステムを説明し発注するのですが、実際に作られたものは「これじゃない感」があったり、使い物にならなかったりすることはままあります。
顧客が本当に必要だったものは、「自分自身でも説明できていなかった」というのがこの絵のオチです。
注文住宅でも同じ
この問題は別にIT業界に限ったことではありません。ちょうど進行中の注文住宅でも同じ図式が成り立ちます。まあ、ソフトウェアならあとから改修いれればなんとかなることも多いですが、家の場合は一筋縄じゃ行かないこともあるかもしれません。そう考えると怖いですね。
違うのは、普段は顧客に振り回される立場ですが、家造りでは施主だということ。
よーし、振り回すぞ
さすがに住めない家ができることはないでしょうが、建てたあとに「これじゃない感」を作らないように、心構えを書いておこうと思います。自分用かつ嫁への戒めでもあります。
これじゃない感
家を建てようと間取りの打ち合わせをしたことがある方は、すでにこの「これじゃない感」を感じているかもしれません。
設計担当との打ち合わせで、「わかりました!」と担当者が言ったので安心していたら、2日後に出来てきた間取り図が「これじゃない感」をかもしだしていたり。なにが原因なんでしょう。
要求を言語化するのは難しい
一つは、要求を言葉だけで説明していること。
注文住宅では、こんな家を建てたいというのがあると思います。
ですが、具体的にどんなこと・どんなものが必要か、というのを見つけ出すのはとても時間がかかります。ましてや書き出したりすると大変です。
だいたい脳内で「こんなのがいいなー」と想像しているぐらいでしょう。
さて、それを設計担当者に伝えるためには、言葉に出す必要があります。まあ、これが難しい。脳内のイメージは言葉にできないですからね。設計担当者は自分ではないので、しっかりと伝える必要があります。
言語化出来ないのであれば、言語以外で伝える努力が必要です。図を書いたり、脳内イメージに近い写真を探したり…。使えるものはどんどん使って、齟齬のないコミュニケーションができると良いです。
また、コミュニケーションの中で、自分たちが気づかなかった要求が見つかったり、実は違う要求を出していたことに気づくこともよくあります。
要求がよくわからない場合でも、相手が引き出してくれることもあります。(というかそれが仕事)とにかく、コミュニケーションを取ることです。
要求を「正しく」伝えるのはもっと難しい
そしてやりがちなのが、文脈をすっ飛ばして構造の要求だけ出すこと。これもあまり良くない。
例えば「カウンターキッチンがいい」とかですかね。ほんとうにそれでいいんですか?
カウンターの向こうは「壁」しか見えないキッチンだったりするかもしれません。でも、設計担当者は悪くないです。伝えきれない要望があるんです。
施主としてはこの伝えきれない要望を、できるだけ見つけ出してやることです。
普通、私達が想像するカウンターキッチンは、顔を上げたらリビングが見える、そんなカウンターキッチンだと思います。なら、その思いをそのまま伝えればいいんです。
「調理中にリビングの様子が見たいので、カウンターキッチンが良いです。」と。これでだいたいの設計担当者はわかってくれるでしょう。
「XXしたいから、XXして」「XXしたくないから、XXしないで」がテンプレートです。これは要求を言語化するのにも役立つはず。
たまにわかってくれない人でも、これを分解して使えてあげればいいです。この要求は、
「キッチンは、カウンターキッチンであること」
「カウンターキッチンはリビングの方を向いていること」
の2つに分けられますよね。ここまで言ってもわかってくれない人はいないはず。
まとめ
・変な間取りができてしまった場合、半分は自分たちのせい。
・言葉だけに頼らず、使えるものはどんどん使って要求を説明する。
・文脈すっ飛ばして要求を説明しない。
探してみて
余談ですが、これの派生系・パロディがいろいろ面白いので、興味があったら「顧客が本当に必要だったもの」で画像検索してみてください。