ガス乾燥機のランニングコストについて
旦那です。
いきなりですが、ガス乾燥機の話をします。
物は良いのに名前はダサい。その名も「乾太くん」。
はい、ダサいです。
ガス管や煙突を設置しないとなので初期コストはかかります。でも、ランニングコスト・使い勝手ともに抜群なガス乾燥機のお話を今回はしたいと思います。
ランニングコスト=お金、の話
まずは、ランニングコストの話をしましょう。乾燥機は、熱風を出して衣類を乾燥させます。この熱源は家庭用では電気またはガスを使います。業務用だとガスや灯油・軽油を使う場合もあるそう。
一般的に、ガス乾燥機のほうが安いといわれていますが、果たして本当か。今回は検証をしてみます。
比較の方法
電気とガス、どちらがお得かを論じたいのですが、料金体系が全く違うので、簡単には比較できません。
同量の洗濯物を乾燥させるためには、同じ量の熱が必要です。ここでは、電気とガスで、同じ量の熱を生み出す際にどのくらいのお金がかかるかを考えてみます。
課金単位から。
まずは、電気とガスの課金の仕組みを見てみます。
電気はkwh
まず、電気からです。電気の課金単位は1kwhです。これは1kwの電力を1時間使った場合の電力量です。
数値で見るとわかりづらいですが、ドライヤーを一時間かけ続けたぐらいがこのくらいの電力量です。
1kwhあたりの単価は、下記をみると19.88円~30.57円です。
ガスはm3
次はガスです。ガスの課金単位は1m3(立法メートル)です。ガスは気体ですから、消費した分の体積ですね。
料金は、下記によると157.24円~106.48円です。
電気のほうが安い、わけではない。
ここまで読んで「電気のほうが安いじゃん」という人は良く考えてください。それぞれが生み出すエネルギーがちがうんです。それはいまから計算します。
熱量を比較する
電気・ガスそれぞれを熱にするとして、どれくらいの熱量になるかを調べます。
熱の単位は、J(ジュール)です。他にもcal(カロリー)も熱の単位ですが、Jの方が計算しやすいのでこちらを使います。おなじ熱量をだすのに、どちらが安いか見てみましょう。
電気1kwh=3.6MJ
ちょちょいと計算します。1wが1秒間に生み出す熱量が1Jなので、下記の通り計算できます。高校物理ぐらいの計算。
1,000(w) × 3,600(秒) = 3,600,000J
桁が多いのでまとめると、3.6MJ(メガジュール)です。
これだけ見ても、多いか少ないかわからないですよね。
ガス1m3=45MJ
東京ガスでは、13Aというガスを供給してくれているそうです。このガスが1m3燃焼するときの熱量は、45MJです。
比較!
金額と熱量がそろったところで、熱量単価を出してみましょう。1Jあたりの単位だと細かくなってしまうので、1MJあたりの単価を計算してみます。
ここで注意しなければならないのは、電気・ガスともに段階料金になっているということです。今回は比較のため、それぞれの一番最初の料金段階を比較します。また、基本料金も含めません。
機種 | 単価 |
---|---|
電気1MJ |
5.52円
|
ガス1MJ |
3.49円
|
お、やっぱりガスのほうが安い。
ほかの要素は?
ガスがランニングコスト的にはよさそうでした。そのほかの要素でもガス乾燥機のほうがよさそうです。
累進性
先ほどは、「一番最初の料金段階」を比較しましたが、それで正しいのでしょうか。
電気は、使えば使うほど単価が高くなります。一方で、ガスは使えば使うほど単価が安くなります。
つまり、最初の段階の料金がガスのほうが安いので、段階が上がってもガスのほうが安いということになります。
運搬時のロス
電気はそれを運ぶ経路、つまり電線を通るだけで消費される部分があります。1kwh計量されたからといって、1kwh分の熱になったわけではありません。
一方ガスは、ガス管から漏れないので(漏れていたら大変)計量分=熱になったと考えることができます。
全体からすれば微々たるものですが、一応ガスのほうが有利。
乾燥時間
一定時間に発生されられる熱量はガスのほうが大きいため、ガスのほうが早く乾きます。
電気の場合、100Vでは機器あたり15Aまでしか基本的には使用できません。一時間に発生させられる最大熱量は、1.5kwhつまり、5.4MJです。
一方ガスのほうは、正確な上限値はわかりませんが、下記の機器が発売されていることから、4.65kwは出せるようです。
4.65kwh = 16.74MJ !
電気の3倍近い。圧倒的な熱量差ですね。そりゃ早く乾きますわ。
まとめ
以上からまとめて、ガスによる乾燥がお得ということがわかりました。
(実は、ヒートポンプというエネルギー効率の良い熱源もあるのですが、今回は比較対象外。めんどくさいので…。)